筆者、近況を綴る

ベルリンの厳しい冬を越えて帰国した春。 筆者は入院を余儀なくされた。 本来あるべき部位から脱出したアレがいよいよ娑婆にまで出ようとした為に手術したのであった。   「あの木の葉が全て落ちた時・・・。」   などと病床で呟いてみたが時期が時期だけに枝葉はモリモリと成長した。 筆者もモリモリと回復を見せれば良かったのだが、未だ痛みが引かず実家にて静養中である。   筆者は郷土愛と言うものを微塵も持ち合わせていない。 筆者の故郷は筆者の薄暗き青春が影を落とす忌まわしき土地である。 そして実家は最小限主義とは真っ向から対立する「勿体無い主義」が統治している。 物は増えるばかりであり処分は概ね認められない。 独裁政治(母上)により「片付けが面倒くさいだけではないのか?」などの世論はねじ伏せられる。   「長居は無用。」   そうは考えたのだがいったい何処へ・・・。 人が移動するにはそれなりのエネルギーを要する。 目的や義務、憧れなど理由も必要である。 ドイツという憧れの地に赴いた事によりエネルギーを消費し、大きな目的の一つを達し、そして失ったのだと後れ馳せに理解したのであった。   風が吹けばどこへなりと飛んでゆく所存。