靴の話

ビジネスシューズを新調した。 別にビジネスシーンではなくともビジネスシューズを履いている。 筆者はそういう男である。   今回購入した靴もその前に履いていた靴も量販店を覗けば何処にでも売っていそうなビジネスシューズである。 そんなありふれた靴を買っている筆者だが靴に対してこだわりが無い訳ではない。 むしろこだわりは強い方だ。強すぎて世の中に存在していない靴を求めている事もしばしばである。 例えば映画の中でチラリと映っただけのおぼろげなイメージの靴を買い求めてしまったりする。 女性の履いている靴を見るのも好きだ。 きっと「何あの男!私の足をジロジロと!キモッ!」と密かに罵倒されているのかもしれないが誤解だ。靴を見ている。   そういう筆者が何故ありふれた靴を履いているのか。 歴史あるCROCKETT&JONESだとかChurch'sであるとか、そういったブランドシューズにも大いに惹かれる。 しかし筆者はよく歩く。ぶらりと散歩に出かける時もあるし、片道6キロ程度の道のりであれば徒歩を検討する。 一日の中に数分は音楽を聴きながら町を歩く時間がなくてはならない。 そんなとき筆者は歩きやすい靴を選択しない。歩いていて小気味の良い音のするソールの固い靴を選ぶ。 そして歩きやすさを重視したゴム底を敵視している。 そんなふうに長距離の歩行に適さない靴でうろうろとしているから当然摩耗もはやい。 ブランドシューズなど勿体無くて履けない。それに残念ながら身の丈にも合っていないし、そのような素晴らしきシューズを履いて赴くにふさわしいところも特に無い。筆者にはまだはやかった。 しかしブランドシューズには一生ものもあるというから次の機会に検討の余地はあるように思われる。   伝統的なデザインの靴も好きだがシンプルかつ先鋭的なデザインの靴も好きである。 女性には不評のようだが爪先の尖ったデザイン(ロングノーズって訳でもないのか?)も好きだと言っておこう。 お洒落は足下からというが、靴ほどに気分に影響するものはない。 今はブランドや値段よりも清潔さを大切にしたいと思うものである。 そういうわけでミニマリストの仇のような店、ヴィレッジヴァンガードで靴べら型のキーホルダーを購入した。 Screen Shot 2015-11-15 at 16.35.59 我々日本人は外で靴を脱ぐシーンが大いにも関わらず靴べらがいつもあるとは限らないのである。 無理矢理靴に足をねじ込む姿はスマートではない。 紳士たるもの踵を踏むべからず。   これによってポケットに入れた家の鍵の存在感を上げる事にも成功し、肝を無用に冷やす事が無くなった。