歯をホワイトニングする

筆者はかつて喫煙者であった。 禁煙をした経緯はかつてのblogに書いている。   ベルリン煙草事情   そうして禁煙をした時から考えていた歯のホワイトニングを試してみる事にした。 ホワイトニングと言っても歯医者で行うものではなく歯磨きによるものである。 歯医者でホワイトニングを行う程筆者の歯は黄色くない。 煙草による物かコーヒー、紅茶による着色か判断の難しい程度の黄ばみである。   せっかく止めたのだから歯を白くし対面的には喫煙の歴史は無かった事にしよう、という浅ましき思惑がそこにはある。 まだ使い始めて一週間も経過していないので効果の程は定かでない。 磨き上がりは以前使用していた歯磨きより心無しか表面がツルツルとなる。 成分か、あるいはお値段の成せる技かもしれない。 とりあえず100g入りを使い切り効果の検証を試みるものである。 効果があれば年に1本程度の頻度での使用も検討する。 100g1本が1000円の歯磨きは他の歯磨きと比べると高級な部類だが煙草二箱程度と考えるとそうでもない。   筆者は別に禁煙を推進しようという考えは持ち合わせていない。 むしろ最近の喫煙者への追い込みはいささかやりすぎていると考えている。 喫煙者のマナー、休憩時間問題、スモークハラスメントという新たなハラスメントと相変わらず造語作るの好きだな問題は置いておくとして。 ここからは禁煙したい人へ向けて駄弁をむさぼることにする。   禁煙したい理由は様々だろう。 煙草代が馬鹿にならない、煙草を吸えないとイライラする、乙女の視線が刺さる。 しかし止められない、止める事が出来ない。だって中毒性があるんだもの! 筆者は彼らの気持ちが痛い程よくわかる。禁煙して数ヶ月経ってもまだ吸いたいなと思う時はやってくる。魔が差しそうになる。 思うに絶対の禁煙方法は存在しないし、意思の力だけで禁煙できるという人は稀であろう。 そういう人はおそらく美味いと思って吸っていた訳ではなく〈ポーズ〉の人であったろう。 責めるつもりは無い。煙草は物語の小道具として抜群の存在感を発揮する。フィリップ・マーロウに憧れて煙草を吸い始めたとして誰が責められよう。   禁煙をしたいとき吸ってはいけないと自分に言い聞かせて吸わないようにするというのは難しいように思う。 人はやってはいけない事はやってみたい事になってしまう。   そこで作戦その1「もったいない作戦」である。 煙草は現在一箱430円前後。1日一箱吸えば一ヶ月で12900円である。 この時点でも結構もったいないと思えるかもしれない。 それでもまだ懐具合に余裕がある人は禁煙外来に通い3ヶ月薬の処方を受けると20000円程度。 それでもまだ懐具合に余裕がある人は歯医者に行き50000円ほどかけて歯をホワイトニングすれば良い。 己の身体や歯にお金をかけてしまえばもったいなくて煙草を吸えなくなるのではないだろうか。 ホワイトニングを行い「これでまたしばらくは歯が綺麗なまま吸える!」と考えてしまった人はもう一生吸い続けることにしたほうが精神衛生上よいだろう。   作戦その2「ノルマ作戦」 1日に煙草一箱は絶対に灰にすると心に誓う。 そして絶対に一日に一箱分の煙草を吸う。毎日毎日吸い続ける。 「今日は忙しかったから半分くらいで」という妥協は許されない。寝る間際でも全てを灰にしなければならない。 「なんか体調悪いから今日は控えめで」そんな甘えは許されない。吐き気がしてでも全てを灰にしなければならない。 そうこうしているうちにみるみるうちに散財し、身体はだるく、覇気がなく、肌の張りは失せ、禿げる。 そうして暗闇から喪黒福造が現れ「あなた煙草好きだったじゃありませんか〜。」「ドーン!」で禁煙できるかもしれん。   3つ目の作戦は作戦とは呼べないようなものだが筆者としては一番効果があるのではないかと思うこと。 それは臭いを知る事。 禁煙をした筆者でも誰かが煙草を吸っている匂い、副流煙は「むは〜良い匂い。」となる。 しかしこれは煙草の煙であってこの匂い自体を毛嫌いしている人も大勢いると思うが、この煙草の煙よりも数倍、いや数十倍の悪臭を放っているのが喫煙者の体臭と口臭である。 自分が放つ体臭というのはなかなか気付けないものだが、禁煙して一ヶ月から三ヶ月すれば他の喫煙者が「お前もこんな臭いだったんだぞ〜。」と教えてくれる。 この臭いを嗅ぐにつけ筆者は乙女達に懺悔した。   「臭くてすみませんでした。」   はっきり言ってちょっと凹むレベルの臭さである。こんな臭いをさせてあんな事を言ったりこんな事をしたりしなかったりしていたのかと思うと穴があったら入りたい、そして灰燼と化せ。 この臭いを自身で体感する事がなにより禁煙に効果的であると思う。 しかしこの臭いを実感するにはおそらく一ヶ月から三ヶ月の禁煙期間を要する。 つまり自分の体臭からニコチンなどが離れてからようやく実感出来るので喫煙習慣にとどめの一撃を浴びせることしかできない。 ここまで来れば大抵の人は煙草をやめられるのではないかと思う。   先述のとおり筆者は禁煙を推進したりはしない。 物語の中から煙草が消えたらつまらないし、吸いたい人は吸えば良いと思う。 ただ「クサッ」とは思っている(ニヤリ)。