日本・古民家・大地震 構える心

人生最大の買い物と言われている家をノートパソコン1台分程度の買い物で済ませてしまった筆者。 しかしこの家を終の住処とする気も、住み暮らす地域に骨を埋める気も毛頭無い、ということはすでに書いた。

16日に熊本で起きた地震でも家屋の倒壊は数多く発生している模様。 熊本城も壊滅的な被害が出ている。

古民家は地震に強いなどとも言われているが実際のところどうなのか。 瓦葺屋根の木造家屋は地震が起きた際、傾いた家が倒壊することが無いよう瓦を落とすことで家屋全体のバランスを取る、という古くから伝わる日本家屋の免震構造である。 スタジオジブリ風立ちぬ」でもそのような描写があったように思うが、それは昔の話で現在は固定されている。

古民家でよく見られる基礎に自然石を使用しているのも伝統的な免震構造である。 家屋の揺れに伴い柱が石の上を滑ることによって建物にかかる負担を逃している。 このように地震の多い日本では古くから地震に対する創意工夫がなされてきたわけであるが、現在の耐震基準には到底届かず近年の大震災でも古民家は軒並み倒壊している。 むしろ地震も多く多湿な日本において100年ののち現存している家屋があること自体驚くべきことである。   筆者宅も震度6程度の地震があればぺしゃんとなってしまうことは容易に想像ができる。 すでに建ててから70年もの月日が流れている上に震度6地震も経験している。 そして空き家であった期間まであるので耐震とは無縁の家屋であると言っていい。 柱も結構傾いている。 そのような家に暮らすと眩暈を起こしたりなど健康被害があるらしいが、住んでいる人間が傾いている為か影響は無い。

「せっかく買った家なのに」とか「貴重な古民家なのに」といった声が聞こえてきそうであるが、筆者は倒壊したらしたで別に構わないと思っている。(筆者が圧死しない場合に限る) 筆者はこの古民家を保存するために暮しているわけでは無い。 スーパーで賞味期限の迫るおつとめ品を購入したにすぎないのだ。 作ったばかりのものに比べれば風味は落ちているしちょっと乾いているかもしれない。 しかし廃棄になってしまうくらいなら安く購入して筆者の地肉となれ。

ハナレグミ永積タカシ氏は「明日へゆけ」で次のように歌う。

” 当たり前だと思ってたことでも ふいに消えてゆくことがあるって 僕はどこかでわかっているから 失意に暮れることなど無いよ

と。 筆者もそんな風に思う。 盛者必衰、諸行無常。常なるものなど無いのである。 別に達観しているわけでもなく、どちらかと言えば「どうせそんなもの・・・。」というようなネガティヴな感じなのだが、いつからかそんなところが心の置き場所となっている。 でもたぶん、本当は消えないものもあるのでは無いかと、家にも物にも執着しないかわりにそんなものを見つけられるのでは無いかと、思ったりもしている。

筆者個人の哲学的泥沼は脇へ押しやる。 まぁ家なんて壊れるもんだと思っているということである。 これからこの古民家を修繕などして楽しむつもりではあるが、またどこかへ行きたくなったら潔く手放すつもりであるし、もしまた大きな地震が来て倒壊した時には更地にしてタイニーハウスのタウンハウスでも作ろうかなんて思っている。 なにせ土地はある。 タイニーハウスなら6棟位建ててもお釣りがくる。 「タイニーハウスとはなんですか?」 という読者諸賢のために説明するとアメリカなどの大きな住宅にいやんなっちゃった人たちが最小限の小屋っぽい家をDIYで建築し住み暮らしはじめた、まさにミニマリスト的発想のおうちのことである。 こうした向きをタイニーハウスムーブメントと言ったりもするので興味のある読者諸賢はGoogle氏に伺うのがよかろう。

お金もかけない、立て直しも容易で、経済的にも物理的にも住宅に潰されることがない家。 最小限主義者としても地震の多い日本に暮らすものとしても、住宅はこのくらい簡単でいいとも思う。 このあたりはまた改めて書きたいと思う。     ここからは余談というか地震について触れたので気になった記事をば。 3月6日 日刊ゲンダイDIGITALの記事である。 20日以内に日本でM7級地震 台湾「地震予測研」衝撃の中身 20日以内ではなかったものの地震を予測できていたという内容である。 東日本大震災では地震を日々研究している方々が矢面に立たされる場面もあったが、研究はその精度を上げてきている模様。 この予測が今回の熊本地震に生かされたのかどうかは定かで無いが地震大国としてはよい知らせである。 この予測を今後生かせるかどうかは各地域や企業でリーダーシップをとっている方々と子供からお年寄りまでの一人一人の行動にかかっている。 でもなんか難しそうだな、というのが正直な所。 例えば東京で大きな地震が予測されたとして、果たして何人がその情報を信じ行動に移せるだろうか。   現在も熊本地震の余震は続き、被害も明らかになってきている。 しかし筆者含めネット上はどこか他人事である。   「この日本に住む限り大震災は他人事では無いのだ。わかったのか筆者!このちんちくりんめがっ!」